当事者が書いた多汗症の入門書 — 『かきたくないのに止められない… 汗っかき・多汗症で悩んだら最初に読む本』
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多汗症について書かれた一般向けの本は、これまでもいくつかありました。ただ、その多くは汗の専門医が「診る側」の視点から書いたものです。2025年6月に出たこの本が少し違うのは、「悩む側」= 当事者の手で書かれた入門書であることです。
書誌情報
| 書名 | かきたくないのに止められない… 汗っかき・多汗症で悩んだら最初に読む本 |
| 著者 | 山城絵里 |
| 出版社 | すばる舎 |
| 発売日 | 2025年6月20日 |
| ページ数 | 208ページ |
| ISBN | 978-4-7991-1339-4 |
著者について
著者の山城絵里さん(X: @elly_5_jp)は、幼少期から頭部・顔面の多汗症に悩んできた当事者です。出版社のプレスリリースによれば、症状を理由に看護学校を退学し、自殺未遂を繰り返して心療内科に通院した時期があったことも公表されています。現在は一般社団法人多汗症ケアーサポート研究会の理事長として、患者支援と啓発活動を行っています。
多汗症の重さは「汗の量」そのものよりも、進路や人間関係といった人生の選択肢を静かに奪っていくことにあります。この経歴は、それを何より物語っていると思います。
※いまつらい気持ちを抱えている方は、一人で抱えず厚生労働省の相談窓口(まもろうよ こころ)などを頼ってください。
どんな本か
全7章+対談という構成で、当事者の悩み、多汗症の診断基準、日常の対策、治療の選択肢、考え方のヒント、そして家族などまわりの人に向けた章まで含まれています(ここでは構成の紹介にとどめます。中身はぜひ本で)。
「症状の解説」だけでなく「まわりにどう理解してもらうか」までを一冊でカバーした入門書は貴重です。
ちなみに帯には、多汗症を公表している芸能人まとめでも紹介したパンサー尾形貴弘さんが登場。「汗は俺のパートナー。サンキュー‼」という一言を寄せています。
こんな人に薦めたい
- 自分のこの汗に「名前」がつくのか知りたい人
- 病院に行くべきか、ずっと迷っている人
- 家族やパートナーに、自分のつらさをうまく説明できずにいる人(該当の章を読んでもらうという使い方ができます)
タカンのひとこと
わたし自身は脇・手・足なので著者さんとは部位が違いますが、「かきたくないのに止められない」という書名の一行に、この症状のすべてが詰まっていると思います。診断や治療の話になる前の、「これって病気なの?」の段階で手に取れる本が当事者の手で書かれたこと自体が、心強い出来事です。
多汗症の基礎は多汗症とは?でも整理しています。