「汗が憎い」
「汗なんか出るなよ」
多汗症の人なら、1度は思ったことがあると思います
でも汗自体は悪くありません。
なぜなら汗は人間が生きていく上で必要不可欠なものです。
「そんなことは分かってるけど、汗で苦しんでるのは確かじゃん!」
そんな怒りの気持ちがこみ上げてくるのも自然です。
でも怒りの前に、汗についてちゃんと知ってあげることも大事ではないでしょうか。
そもそも汗の役割は?汗が出るメカニズムは?汗の種類は?
「もう知っている」という方も復習がてら読んでみてください。
【汗の役割】何のために汗が出るのか?
そもそも汗は何のために存在するのでしょうか?
汗の役割は何なのか、汗の存在意義から確認していきましょう。
汗は体温を調節する
汗の最も重要な役割は体温の調節機能です。気温の上昇やスポーツ、カゼの発熱などで体温が高くなった時、発汗が起こります。汗の水分が皮膚の上で蒸発するときに熱が奪われ(気化熱)、それによって体温を下げて常に36度5分前後の平熱に保つことが出来るのです。
引用:気になる汗のはなし
まず最も重要な役割が体温の調節です。
汗の役割は何ですか?と聞かれたら、真っ先に思い浮かぶかもしれません。
体温の調節と言っていますが、正確に言うと体温の上昇を抑える働きになります。
汗の水分が皮膚から蒸発するときに、周りの熱を奪っていくメカニズム(気化熱)によって体温が下げられます。
運動して体が熱くなった時にたくさん汗をかくのは、このためです。
汗は細菌の繁殖を抑制する
汗は皮膚表面を弱酸性に保つことで細菌の繁殖を抑制
引用:汗ケアラボ
リゾチームは、汗や鼻水などにも含まれていて、細菌の侵入を防いでいます。
引用:生物基礎
私たちは気づいていないかもしれないですが、汗は細菌の繁殖を抑えてくれています。
汗にはリゾチームという細菌を壊す殺菌酵素が含まれており、皮膚を弱酸性(pH:3~5)に保つ働きがあります。
サルなどの体毛がある動物は毛によって細菌から身を守っていますが、人間は進化の過程で体毛がなくなったことで、汗という分泌物が細菌から身を守る役割を果たしています。
今はいらない!進化の過程で残っている汗の役割
他にも汗の役割があります。
多くの人が悩んでいる脇のニオイや緊張した時に出る手汗も、汗としての役割を担っていたとされています。
広い草原で同じ種族をみつけるために利用していたと考えられるニオイがでる汗。これも進化の過程(種の保存)では重要であったと考えられます。
引用: 汗ケアラボ
脇汗にはフェロモンの役割があり、同じ種族であることをニオイで確かめ合っていたとされています。
ヒトがサルのように木の上で生活していたときのなごりで、獲物をとらえたり、敵から逃げたりするときに、手足がすべらないように湿り気を与える役割を果たしていたとされています。
引用: 汗ケアラボ
緊張した時(心拍数が上がった時)に手のひらや足の裏から汗が出るのは、滑り止めの役割を果たしていたとされています。
ただどちらにせよ、現代においては不要だと感じられることは言うまでもありませんね。
汗が出るメカニズム
最後に
わたしたち多汗症患者にとって、汗は敵対してしまいがちです。
しかし汗は人体になくてはならない存在です。
それを十分知った上で、多汗症と向き合っていきましょう。